プロデューサーとしてファビュラスの”Gangsta”やファット・ジョーの”Get It for Life”、リック・ロス”I'm A G”などを手掛け、2006年以降は自身名義のアルバムを年に1枚のペースでリリースしている、フロリダ州マイアミ出身のDJでプロデューサーのDJキャレドことカリッド・カリッド。彼にとって通算10枚目となるスタジオ・アルバム『Grateful』からのリード・シングルが、この『Shining』だ。
グラミー賞の授賞式直前、2月12日にリリースされたこの曲は、ニッキー・ミナージュやクリス・ブラウンをフィーチャーした1つ前のシングル『Do You Mind』に引き続き、ヴォーカルが主役のR&Bナンバー。ゲスト・ヴォーカルにビヨンセとジェイZを起用し、ソングライターとしてアルバム『PARTYNEXTDOOR 3』やドレイクの”Come and See Me”がヒットした、カナダ出身のシンガー・ソングライター、パーティネクストドアが参加するなど、2016年のR&B,ヒップホップ・シーンを代表する豪華な面々が終結したパーティー・チューンになっている。
ビヨンセとジェイZが一緒に新曲を録音するのは、2013年の”Part II(On The Run)”(ジェイZのアルバム『Magna Carta... Holy Grail』に収録)と”Drunk In Love”(ビヨンセのアルバム『Beyonce』に収録)以来4年ぶり。ジェイZがキャレドの作品に参加するのは2016年の”I Got The Keys”以来だが、ビヨンセとパーティネクストドアにとっては、初のコラボーレーションとなる。
今回のシングルは、ディオンヌ・ワーウィックが70年に発表した”Walk The Way You Talk”をサンプリングしたソウルフルな楽曲。ヴォーカルやストリングスの繊細なタッチが魅力の原曲を、ファットなベース・ラインや思わず踊りだしたくなる高揚感たっぷりのビートで、現代的なR&Bに組み替えた、キャッチーでスタイリッシュな曲になっている。
歌とラップの比率は大体7:3程度で、ビヨンセの”Crazy In Love”に近い構成。だが、彼女が歌うのは、マーク・ロンソンがネイト・ドッグを起用した”Ooh Wee”、ファンクマスター・フレックスがフェイス・エヴァンスをフィーチャーした”Good Life”のような、流れるような洗練されたメロディで、どちらかといえば奇抜な楽曲が多かった彼女の近作をイメージしている人には、拍子抜けする内容かもしれない。また、電子楽器を多用することの多いキャレドの作品では珍しい、有名名曲を原曲がわかる形でサンプリングしたトラックも、過去の作品のような新曲を期待する人には、ちょっと違和感があるかもしれない。
だが、余計な情報を遮断してこの曲と向き合うと、その完成度に驚かされるのも事実だ。一つ一つの音が繊細なディオンヌ・ワーウィックの楽曲を、原曲の魅力を損ねることなく、しなやかなメロディとダンサブルなビートのR&Bナンバーに取り込む技術は恐るべきものだし、豊かな声量と表現力を兼ね備えたビヨンセの持ち味を生かしつつ、流麗なメロディを歌わせる作曲技術も極めて高いものだ。そして、終盤に絶妙なタイミングで入り込み、リスナーを盛り上げつつ、楽曲のアクセントとしても機能しているジェイZのラップも非常に刺激的だ。過去のシングル曲を考えると、この曲がアルバム全体の方向性を指し示しているとは考えにくいが、この曲に関わった面々が、今まで見せてこなかった隠れた魅力を引き出していると思う。
ファンクマスター・フレックスやDJケイスレイのような、コーディネーターとしての才能が魅力のキャリドの持ち味が発揮された面白い楽曲。ファンクマスター・フレックスの”Good Life”やケイスレイの”Not Your Average Joe”、トニー・タッチの”I Wonder Why(He’s The Greatest DJ)”に比類する、DJ発のR&Bクラシックになりそうだ。
Producer
Dj Khaled, Danja
グラミー賞の授賞式直前、2月12日にリリースされたこの曲は、ニッキー・ミナージュやクリス・ブラウンをフィーチャーした1つ前のシングル『Do You Mind』に引き続き、ヴォーカルが主役のR&Bナンバー。ゲスト・ヴォーカルにビヨンセとジェイZを起用し、ソングライターとしてアルバム『PARTYNEXTDOOR 3』やドレイクの”Come and See Me”がヒットした、カナダ出身のシンガー・ソングライター、パーティネクストドアが参加するなど、2016年のR&B,ヒップホップ・シーンを代表する豪華な面々が終結したパーティー・チューンになっている。
ビヨンセとジェイZが一緒に新曲を録音するのは、2013年の”Part II(On The Run)”(ジェイZのアルバム『Magna Carta... Holy Grail』に収録)と”Drunk In Love”(ビヨンセのアルバム『Beyonce』に収録)以来4年ぶり。ジェイZがキャレドの作品に参加するのは2016年の”I Got The Keys”以来だが、ビヨンセとパーティネクストドアにとっては、初のコラボーレーションとなる。
今回のシングルは、ディオンヌ・ワーウィックが70年に発表した”Walk The Way You Talk”をサンプリングしたソウルフルな楽曲。ヴォーカルやストリングスの繊細なタッチが魅力の原曲を、ファットなベース・ラインや思わず踊りだしたくなる高揚感たっぷりのビートで、現代的なR&Bに組み替えた、キャッチーでスタイリッシュな曲になっている。
歌とラップの比率は大体7:3程度で、ビヨンセの”Crazy In Love”に近い構成。だが、彼女が歌うのは、マーク・ロンソンがネイト・ドッグを起用した”Ooh Wee”、ファンクマスター・フレックスがフェイス・エヴァンスをフィーチャーした”Good Life”のような、流れるような洗練されたメロディで、どちらかといえば奇抜な楽曲が多かった彼女の近作をイメージしている人には、拍子抜けする内容かもしれない。また、電子楽器を多用することの多いキャレドの作品では珍しい、有名名曲を原曲がわかる形でサンプリングしたトラックも、過去の作品のような新曲を期待する人には、ちょっと違和感があるかもしれない。
だが、余計な情報を遮断してこの曲と向き合うと、その完成度に驚かされるのも事実だ。一つ一つの音が繊細なディオンヌ・ワーウィックの楽曲を、原曲の魅力を損ねることなく、しなやかなメロディとダンサブルなビートのR&Bナンバーに取り込む技術は恐るべきものだし、豊かな声量と表現力を兼ね備えたビヨンセの持ち味を生かしつつ、流麗なメロディを歌わせる作曲技術も極めて高いものだ。そして、終盤に絶妙なタイミングで入り込み、リスナーを盛り上げつつ、楽曲のアクセントとしても機能しているジェイZのラップも非常に刺激的だ。過去のシングル曲を考えると、この曲がアルバム全体の方向性を指し示しているとは考えにくいが、この曲に関わった面々が、今まで見せてこなかった隠れた魅力を引き出していると思う。
ファンクマスター・フレックスやDJケイスレイのような、コーディネーターとしての才能が魅力のキャリドの持ち味が発揮された面白い楽曲。ファンクマスター・フレックスの”Good Life”やケイスレイの”Not Your Average Joe”、トニー・タッチの”I Wonder Why(He’s The Greatest DJ)”に比類する、DJ発のR&Bクラシックになりそうだ。
Producer
Dj Khaled, Danja