2013年に、ドレイクが経営するOVOサウンドと契約。同社に所属する初の音楽ユニットになったマジッド・ジョーダン。

トロント大学の学生だったジョーダン・ウルマンとマジッド・アリ・マスカティが2011年に結成したこのグループは、最初ころは自宅で楽曲を制作し、インターネットの音楽配信サービスに公開することで名を上げてきた。

楽曲が評価され、OVOと契約した彼らは、2013年にドレイクのシングル”Hold On, We're Going Home”のソングライター兼ゲスト・ヴォーカルでレコード・デビュー。全米総合シングル・チャートの4位という華々しいデビューを飾ると、翌年には自身名義の”A Place Like This”を皮切りに、複数のシングルを発売。2016年には初のフル・アルバムとなる『Majid Jordan』をリリースしている。

このアルバムは、前作の発売から僅か1年半という短い間隔でリリースされた通算2枚目のフル・アルバム。マジッド・ジョーダン名義でプロデュースした作品が大半を占めていた前作に対し、本作ではほとんどの曲がジョーダン一人のプロデュースによるもの。それに加え、前作にも参加している40やナインティーン85などの、OVOに所属するプロデューサーが顔をそろえ、彼の持ち味であるスタイリッシュなR&Bの良さを引き立てている。

アルバムの目玉は、なんといってもスターゲイトが制作に参加した”Body Talk”だろう。ニーヨやリアーナの楽曲を手掛け、昨年はディズニー映画の主題歌でもペンを執るなど、多芸っぷりを発揮しているスターゲイトの才能が加わったこの曲は、レゲトンの要素を盛り込んだビートと、しなやかなメロディが印象的なダンス・ナンバー。洗練された歌唱が魅力の彼と、スターゲイトが得意とする流麗なメロディの相性は抜群だ。陽気で華やかなレゲトンを、洗練されたメロディのR&Bと一体化するセンスも素晴らしい。

また、同じレーベルに所属するパーティーネクストドアをフィーチャーした”One I Want”は、OVOらしいシンセサイザーを多用したトラックと、歌とラップを織り交ぜた歌唱が光るミディアム・ナンバー。彼らが得意とするスタイルをベースにしながら、聴き手に新鮮な印象を与えるアレンジが魅力の好曲だ。

それ以外の曲では、ドレイクからリンキン・パークまで、様々なジャンルのアーティストの作品に関わってきたイルセイ・ジューバーがソングライティングで参加した”Phases”が面白い。しっとりとした雰囲気のバラードから、80年代のディスコ・ミュージックを思い起こさせるモダンなダンス・ナンバーへと繋がっていく展開が面白い佳曲だ。80年代のダンス・ミュージックの極端に洗練されたサウンドを、現代のポップスに落とし込むスキルが素晴らしい。

そして、先日、2枚目のフル・アルバム『Morning After』をリリースしたレーベル・メイトの音楽ユニットdvsnとコラボレーションした“My Imagination”は、dvsnが制作に参加したアップ・ナンバー。シンセサイザーの音を重ね合わせたスタイリッシュなサウンドをバックに、みずみずしい歌声を響かせる姿が印象的な楽曲だ。甘酸っぱい歌声を引き立てる爽やかなメロディーが心地よい曲だ。

彼らの面白いところは、アッシャーやオマリオン、ジャスティン・ビーバーといった、人気シンガーにも通じる、甘く爽やかなヴォーカルを備えながら、その声を使って本格的なR&Bに取り組んでいるところだろう。ポップ・スターになりうるポテンシャルを持った声を用いて、繊細な表現が求められるシンプルで洗練されたR&Bを作ったことで、若い世代には親しみやすく、大人には若々しさと落ち着いた雰囲気に落とし込んでいる点は見逃せないと思う。

親しみやすいけど上品、新鮮だけど飽きの来ない魅力的な作品だ。

Producer
40, Jordan Ullman, Majid Jordan, Nineteen85, Stargate

Track List
1. Intro
2. Gave Your Love Away
3. OG Heartthrob
4. Body Talk
5. Not Ashamed
6. One I Want feat. PartyNextDoor
7. You
8. Phases
9. Asleep
10. What You Do to Me
11. My Imagination feat. Dvsn
12. The Space Between
13. Outro





Majid Jordan
Warner Bros / Wea
2017-12-15