melOnの音楽四方山話

オーサーが日々聴いている色々な音楽を紹介していくブログ。本人の気力が続くまで続ける。

2018年06月

CHEMISTRY – Heaven Only Knows/13ヶ月 - EP [2018 Sony]

2001年に、100万枚以上を売り上げたシングル”Pieces of Dream”で華々しいデビューを飾った、日本発の二人組男性ヴォーカル・グループ、ケミストリー。

モーニング娘。などを輩出した、テレビ番組「ASAYAN」の「男子ヴォーカリストオーディション」(余談だが、同企画の最終選考には、後にEXILEで活躍するATSUSHIやNESMITHの名前もあった)を勝ち上がった、東京都出身の川畑要と、広島県出身の堂珍嘉邦の二人からなるこのグループ。彼らは、各人の実力の高さと、デュオになったときに発揮される化学反応から、プロデューサーの松尾潔によってケミストリー(=化学反応)と名付けられた。

同年には初のスタジオ・アルバム『The Way We Are』を発売。300万枚を売り上げ、男性ヴォーカル・グループのデビュー・アルバムの最多セールスを記録し、年末の紅白歌合戦にも出場。翌年には日韓共催の2002年FIFAワールド・カップの公式テーマ・ソング”Let's Get Together Now”をリリース。名実ともに、日本を代表するヴォーカル・グループとして知られるようになった。

その後も、様々なプロデューサーを起用しながら、多くの楽曲を発表。日本のポピュラー・ミュージックを好む堂珍と、欧米のヒップホップやR&Bに傾倒する川畑の個性が絶妙なさじ加減で混ざりあった、日本人好みの美しいメロディとヴォーカルが魅力的な作品を残してきた。

本作は、2017のシングル”Windy/ユメノツヅキ”以来となる、彼らの36枚目のシングル。前作に引き続き、彼らの可能性を見出し、一流のアーティストに育て上げた、松尾潔がプロデュースと作詞を行っている。

1曲目の”Heaven Only Knows”は、”Let's get together now”などを制作した川口大輔が作曲を担当。ドラムを軸としたシンプルなトラックと、しなやかなメロディが心に残るアップ・ナンバーだ。流麗なメロディに豊かな表情を吹き込む二人のヴォーカルが聴きどころ。ヴォーカルを引き立てる洗礼されたトラックとスタイリッシュなメロディは、彼らのデビュー曲”Pieces of Dream”にも通じるものがある。

続く”13ヶ月”は、オーディションの最終選考の課題曲”最後の夜”のアレンジや、彼らの人気曲”You Go Your Way”の作曲を手掛けた豊島吉宏が作曲に参加したバラード。良曲の路線を引き継ぐ、しっとりとしたメロディが印象的な作品。

そして、本作の隠れた目玉が70年代、80年代のディスコ音楽を現代のクラブ・ミュージックと融合した作風で注目を集めている、八戸出身のクリエイター、T-Grooveがリミックスを担当した”Heaven Only Knows”だ。跳ねるようなベースの演奏や軽快にリズムを刻むギター、軽やかなパーカッションの音色が心地よいダンス・ナンバーだ。シンセサイザーを効果的に使った尖ったアレンジの多いT-Grooveの仕事では珍しい、生演奏の柔らかい音色を活かしたトラックは、山下達郎の”Sparkle”のような、ロックやソウル・ミュージック、歌謡曲の要素が程よく入り混じった、親しみやすさとお洒落な作品になっている。日本のレコード会社が制作したディスコ音楽のコンピレーション・アルバムを監修するなど、ディスコ音楽を中心に、色々な音楽に造詣が深いT−Grooveの持ち味が遺憾無く発揮された名リミックスだ。

本作から強く感じるのは、メロディや歌声を大切にするメンバーとプロデューサーの松尾潔氏の音楽への思い入れだ。音楽ライターからキャリアをスタートし、「美メロ」という言葉を生み出して、美しいメロディと、楽曲の魅力を引き出すシンガー達にスポットを当ててきた松尾氏らしい、美しいメロディと楽曲の世界観を引き立てるリリック。それを歌うシンガーの豊かな表現力が合わさった楽曲は、彼が90年代から紹介してきたルーサー・ヴァンドロスやR.ケリーのような、メロディが魅力のアメリカのR&Bを彷彿させる。また、そこに日本のポピュラー音楽が原点の堂珍と、アメリカのヒップホップを愛聴してきた川畑の解釈が加わることで、アメリカの歌手とは一味違う、彼ら独自の音楽になっている。この絶妙なバランスが、彼らの音楽の面白いところだろう。


三者の個性と、細部にまで心を配った曲作り、大胆かつ丁寧なヴォーカルが光る良作。80年代や90年代の黒人音楽が好きな人には懐かしい、現代の斬新なサウンドのR&Bに慣れ親しんだ人には新鮮に聴こえると思う。

Producer
松尾潔

Track List
1. Heaven Only Knows
2. 13ヶ月
3. Heaven Only Knows (T-Groove Remix)
4. Heaven Only Knows -Instrumental-
5. 13ヶ月 -Instrumental-






【番外編】データベーススペシャリスト試験に落ちたので、原因を考えてみた

はい、6月20日は高度情報処理技術者試験の合格発表日でした。

ITに関わる仕事をしている人にとって、年中行事のような資格試験ですが、自分も現在の仕事になって、毎回何らかの区分を受けています。

これまでの受験歴は
H27秋:基本情報→合格
H28春:応用情報→合格
H28秋:セスペ→午後1で不合格
H29春:DBSP→午後2で不合格
H29秋:情報処理安全確保支援士→合格

で、今回は2度目のチャレンジ。
結果はというと、悔しいことに不合格でした。

受験票を紛失したため細かい点数はわかりませんが、午前2試験が自己採点で80点以上取れていたので、落ちたのは午後1か午後2試験だと思います。

そこで、今回は自分の勉強法を振り返ってみて、悪かった点、今後の課題と対策を考えてみたいと思います。

1.学習時間
具体的な時間は測っていないけど、前年の受験時よりは確実に少なくなっていました。
単純に仕事が忙しくなったのもあるけど、勉強会に出たり、友人に会ったり、色々なコミュニティに参加したりと、行動範囲が変わったことで、試験勉強に割く時間が相対的に少なくなってました。

あと、今振り返ってみると、安全確保支援士に合格したことで、悪い意味で心に余裕ができた、端的に言えば、試験を舐めてかかって、勉強しなくなったと思います。

基本的に、高度情報技術者試験で求められる能力は、試験区分ごとに互いに独立しているので、ある試験に合格したことが、(知識面で有利であっても)他の区分で有利になることはないと感じました。

2.学習方法
学習方法自体は前回から変わらず。

通勤中:
参考書を読む、データベーススペシャリストドットコムの過去問道場で午前試験の過去問題を解く
職場(休憩中):
資格と関係のない本を読む(単純に職場で試験勉強している人が好きになれないので)
自宅:
午後試験の過去問演習、参考書を読む、データベーススペシャリストドットコムの過去問道場で午前試験の過去問題を解く

というサイクルでした。
ただし、前回の受験時も午前試験は8割以上取れていたので、学習は午後対策に重きを置いてました。

具体的には、
通勤時:
参考書で解き方や知識を確認、集中力が切れたら午前試験対策に切り替え
自宅:
午後試験の過去問演習と間違えたところの復習
という流れでした。

ただ、今振り返ってみると、午後試験の演習は明らかに甘い印象でした。
午後1試験の対策は、8年分の問題は一通り解いたものの、間違えた箇所は解説を読んだだけで、同じ問題が再出題された場合に確実に解ける状態ではありませんでした。
そして、一番の失敗は、午後2試験の対策で、時間が取れなかったこともあり、一問も解かないまま当日の試験に臨んでいました。
この、「午後1試験で確実に解ける問題を増やす」ことと「午後2試験の複雑な問題に対応する知識と思考パターンを身に着ける」ことを怠ったことが今回の失敗だなと思いました。

試験の感想

午前2試験
平常運転、データベーススペシャリスト試験は知識問題が出しにくいのか、同じような問題が頻繁に出題されるので、比較的解きやすい印象。

午後1試験
問1(販売管理システムの設計)、問2(データベースの制約)を選択。個人的には物理的な設計に苦手意識があったので、問2,問3(物理データベースの設計)は避けたかったが、比較的解きやすそうな問2を選択。今見ても雑な解答しか出せなかったので、多分これが敗因。仕事でデータベースを弄ることが少ないので、この分野に苦手意識があったのですが、今回はこの部分が致命傷になったっぽいです。

午後2試験
問1(データベースの設計と実装)を迷わず選択。産業用機器の販売管理システムという王道の問題でした。が、模範解答を見る限り、自分の読み落としが何か所か見つかったので、その点については参考書の解説待ち、サブタイプの考え方など、理解の甘い部分が何か所か見つかったので、その点は今後の課題です。

今回の反省

端的に言えば
・試験を侮っていた
・苦手部分を放置していた
・演習回数が少なかった
この三つだと思います。

今後の方針
とりあえず、秋期は新しい試験、ネットワークスペシャリストに挑戦。データベースの勉強は試験後まで保留の予定。
ネットワークスペシャリストは、自分にとって初めての分野で、データベース以上に経験の浅い分野なので、手を動かしながら早めに知識を固めていこうと思います。


補足
情報処理技術者の試験対策では、毎回翔泳社の参考書を使用。
翔泳社の参考書は、出版社のサイトから過去問題の解答例と解説がダウンロードできるので、午後試験が明暗を分ける高度情報処理技術者試験の対策ではかなり役立つと思います(論文系は除く)


The Carters - Everything Is Love [2018 Roc Nation, Parkwood Entertainment, Sony Music]

総合エンターテイメント企業のロック・ネイションや、音楽ストリーミング・サービスのTIDALなどを経営しながら、コンスタントに新作を発表し、ヒップホップ界をけん引する、ジェイZことショーン・カーター。2003年に初のソロ・アルバム『Dangerously in Love』を発表して以来、稀代の名シンガー、エッタ・ジェイムスを演じきった映画「キャデラック・レコード」や、ストリーミング限定(後にダウンロード版やCD盤も発売)した『Lemonade』など、新しいことに挑戦し、成功してきた、ビヨンセことビヨンセ・ジゼル・ノウルズ-カーター。

このアルバムは、21世紀の音楽業界で最も成功している夫婦による、初のコラボレーション作品。

これまでにも、ビヨンセの”Crazy In Love”や”Déjà Vu”などで共演してきた二人だが、アルバム1枚を一緒に録音するのは今回が初。事前のプロモーションをほとんど行わず、『Lemonade』に続いてTIDALで先行配信されるなど、斬新な試みに挑んできた彼女達らしい作品になっている。

本作に先駆けて公開された”Apeshit”は、ファレル・ウィリアムスがプロデュースした楽曲。使われている楽器の音色こそ、ファレルが多用するシンセサイザーのものだが、彼が提供したビートはミーゴスグッチ・メインのアルバムに入っていそうなトラップ。その上では、ラップのような抑揚を抑えたメロディを歌うビヨンセと、普段通りのダイナミックなラップを繰り出すジェイZという、今までの作品ではなかったタイプのパフォーマンスを披露している。トラップのビートを取り入れているからか、ファレルのプロデュース作品にも関わらず、彼のかわりにミーゴスのクェーヴォとオフセットがコーラスで参加している点も新鮮だ。

これに対し、TLCメアリーJ.ブライジの作品にも携わっているD’マイルと、アーティストとソングライターの両方で活躍しているタイ・ダラ・サインを起用した”Boss”は、ヒップホップの要素を取り入れたスロー・バラード。タイ・ダラ・サインの端正なコーラスは、ヨーロッパの教会音楽にも少し似ている。ビヨンセのヴォーカル・パートは、滑らかなメロディとラップを組み合わせたもの。近年流行のスタイルを、自分の音楽に咀嚼したパフォーマンスに注目。

一方、ジェイZのラップに重きを置いた”713”はクール&ドレがプロデュースを担当。威圧的にも感じるキーボードの伴奏が印象的なビートに乗せて、パンチの効いたパフォーマンスを繰り出すジェイZの姿が聴きどころ。キーボードの伴奏を強調したトラックに引っ掛けて、Dr.ドレの”Still Dre”やコモンの”The Light”などのフレーズを引用した点も面白い。

それ以外では、内田裕也やジョー山中が在籍していた日本のサイケデリック・バンド、フラワー・トラベリング・バンドの”"Broken Strings”をサンプリングした”Black Effect”も見逃せない。昔のレコードから、ヴォーカルや楽器の演奏など、様々なフレーズを抜き出して組み合わせる手法は、ヒップホップではお馴染みのものだが、サンプルの組み合わせ方を変えることで新しい音楽に聴かせている。

本作の面白いところは、既に多くのアーティストが取り組んできた手法を用いながら、他の作品とは一線を画した独自の音楽に仕立て上げているところだろう。歌とラップを組み合わせる手法やサンプリング、トラップといった、流行のスタイルを盛り込みつつ、少し変化をつけることで、独自性を打ち出している。この引用とアレンジのセンスの良さが、二人の音楽の醍醐味だ。

音楽業界のトップをひた走る二人の、鋭い感性と作品に落とし込む技術が光る良作。「ヒップホップはみんな同じ」と思っている人にこそ聴いてほしい、流行のサウンドを用いながら、他のアーティストとは一味違う新鮮に聴こえるセンスと技術が楽しめると思う。

Producer
Beyoncé, Jay-Z, Cool & Dre, Pharrell Williams, D'Mile etc

Track List
1. Summer
2. Apeshit
3. Boss
4. Nice
5. 713
6. Friends
7. Heard About Us
8. Black Effect
9. Lovehappyt
t


EVERYTHING IS LOVE [Explicit]
Parkwood Entertainment/Roc Nation
2018-06-18


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