1997年に、男女混成の7人組ダンス&ヴォーカル・グループ、フォルダーのリード・ヴォーカルとして”パラシューター”でメジャー・デビュー。9歳(レコーディング時点)とは思えない豊かな表現力と、安室奈美恵やSPEEDを輩出した沖縄アクターズ・スクールで鍛えられた本格的なダンスが、高い評価を受けた三浦大知。

その後も、グループの名義で多くの作品を録音。1999年には、ジャクソン5の”I Want You Back”をカヴァーする一方、SMAPの”らいおんはーと”を手掛けた小森田実が作った壮大なスケールのバラード”Everlasting Love”を発表するなど、早熟の名シンガーとして頭角を現してきた。

しかし、彼の変声期とともにグループは活動を休止。女性陣はフォルダー5として再始動する一方、彼自身は長いトレーニングの期間に突入する。

そして、声が安定した2005年、名義を本名に戻し、ゴスペラーズの黒沢薫が作曲した”Keep It Going On”を引っさげて再始動。その後は、歌とダンスを高いレベルで両立する稀有なアーティストとして、多くのファンを魅了。2017年には特撮番組「仮面ライダーエグゼイド」の主題歌である”EXCITE”でオリコンのシングル・チャートを制覇し、同年の紅白歌合戦にも出演するなど、着実に成功への階段を上がってった。

このアルバムは、2005年以降の彼のキャリアを総括したベスト・アルバム。

アルバムの1曲目は、現在の名義では初のシングル曲となる”Keep It Goin’ On”。ゴスペラーズの黒沢薫が作曲を、久保田利伸や鈴木雅之の楽曲にも関わってるK-Mutoがアレンジを担当。ドラムを強調したシンプルなトラックと、甘酸っぱいメロディが心地よいアップ・ナンバーだ。新たな一歩を踏み出した彼の門出を祝うような、陽気で爽やかな雰囲気が心に残る佳曲だ。

また、クレヴァとのコラボレーション曲”Your Love”は、ナオ'ワイエムティーが制作に携わったミディアム。シンセサイザーを駆使した大人っぽい雰囲気のトラックと、三浦大知の甘い歌声、ゆったりとしたテンポの曲でも、個性的なフローでしっかりと乗りこなすクレヴァのラップが上手く嚙み合った、ロマンティックな楽曲だ。久保田利伸とクレヴァのコラボレーション曲”Magic”でも感じたが、彼のしなやかでリズミカルなラップは、柔らかい声質のシンガーの魅力を巧みに引き出している。

それ以外の曲では、”ふれあうだけで ~Always with you~”も見逃せない。複雑で振付を悠々とこなすダンス・スキルが持ち味の彼の曲では珍しい、じっくりと歌を聴かせるタイプのバラード。伊藤由奈の”Wish”などのバラードで定評のある飛内将大が作曲を、同曲に詞をつけた田中秀典が作詞を受け持ったこの曲は、日本人の琴線をつくダイナミックな展開と美しいメロディが胸を打つ作品。R&B畑の歌手でありながら、力業や大胆なヴォーカル・アレンジに頼ることなく、丁寧な歌唱で楽曲の豊かな表情を引き出す技術は圧巻の一言だ。2018年に改めて聴くと、この曲が発売された時点でブレイクしなかったことが不思議で仕方ない。

そして、彼が飛躍するきっかけとなった”EXCITE”は、安室奈美恵やEXILEの作品にも参加している岡嶋かな多や、東京に拠点を置くエレクトロ・ミュージックのレーベル、トレッキー・トラックスを主催するカーペインターと共作した曲。何度もビートを切り替えて、楽曲に起伏をつける演出は、ジャスティン・ビーバーの”Where Are Ü Now”や、BIGBANGの”BANG BANG BANG”などでも使われている、エレクトロ・ミュージックの世界ではおなじみの手法。海外のポップスで用いられるサウンドを、日本の音楽に持ち込んで、楽しませることができるのは、彼に高いヴォーカル・スキルがあるからだろう。

彼の強みは、スキルが高いだけでなく、ポップスとR&B、両方に目を配った音楽ができるところだ。レーベル主催のライブでは、BIGBANGやEXOのような、R&Bをやヒップホップをベースにしたスタイルで、成功を収めている面々と同じステージに立つ一方、それ以外の国内のイベントでは、ロック・ミュージシャンやヒップホップのアーティストとも共演。その他にも、特撮番組の主題歌のような、R&Bには馴染みの薄いリスナーが多い分野でも、しっかりと自分の音楽を届け、成功を収めてきた。この、R&Bをベースにしながら、それに囚われない音楽を生み出せるのが、彼の凄いところだ。そして、それを可能にする、歌とダンスの高い実力と、それを操るセンスの高さが、彼の個性なのだと思う。

コアなR&Bとポップスの両方に跨る音楽性を武器に、多くの足跡を残してきた彼の高い実力が堪能できる名盤。ポップスとR&Bを両立した数少ない日本人アーティストという意味で、「日本のマイケル・ジャクソン」「日本のジャスティン・ティンバーレイク」というニックネームが最も似合うアーティストなことを再確認させられる充実の内容だ。

Track List
Disc1
1. Keep It Goin’ On
2. Free Style
3. Southern Cross
4. No Limit feat. 宇多丸 (from RHYMESTER)
5. Flag
6. Inside Your Head
7. Your Love feat.KREVA
8. Delete My Memories
9. The Answer
10. Lullaby
11. Turn Off The Light
12. Two Hearts

Disc 2
1. Right Now
2. Voice
3. GO FOR IT
4. Anchor
5. ふれあうだけで ~Always with you~
6. IT’S THE RIGHT TIME
7. Unlock
8. music
9. Cry & Fight
10. (RE)PLAY
11. EXCITE
12. U
13. 普通の今夜のことを -let tonight be forever remembered-
14. DIVE!

Disc 3 (映像)
1. Keep It Goin’ On
2. Free Style
3. Southern Cross
4. No Limit feat. 宇多丸 (from RHYMESTER)
5. Flag
6. Inside Your Head
7. Your Love feat.KREVA
8. Delete My Memories
9. The Answer
10. Lullaby
11. Turn Off The Light
12. Two Hearts
13. Right Now
14. GO FOR IT
15. Anchor
16. ふれあうだけで ~Always with you~
17. IT’S THE RIGHT TIME
18. Unlock
19. music
20. Cry & Fight
21. (RE)PLAY
22. EXCITE
23. U
24. 普通の今夜のことを -let tonight be forever remembered-
25. DIVE!