2001年に、韓国系カナダ人のTabloと韓国出身のMithra Jin、DJ Tukutzによって結成。サンプリングを多用した本格的なヒップホップから、ロックや韓国の歌謡曲まで、あらゆるサウンドを飲み込んだ音楽性と、様々なメッセージを含蓄とウィットに富んだ表現で綴るラップの技術が高く評価され、お茶の間からクラブ・シーンまで、幅広く支持を集めてきた韓国のヒップホップ・グループ、Epik High。
2000年代中頃(現在の編成になったのは2008年)に幼馴染の4人によって結成。詞、メロディ、演奏、ヴィジュアルなど、自分達の音楽に関するあらゆる要素を用いて独特の世界を表現するスタイルで、海外にも多くのファンがいる、日本を代表する人気ロック・バンド、SEKAI NO OWARI。
以前から、ラジオ番組やSNSで親交があることを示唆していた両者が、2018年6月末に突如発表したのがこの曲だ。
SEKAI NO OWARIの”眠り姫”(英題は”Sleeping Beauty”)とは同名異曲であるこの作品。制作には双方のメンバーに加え、Mariah CareyやZeddなど、Eminemなどの楽曲に携わってきたアメリカのプロデューサー、Rock Mafiaが参加。ジャンルの枠を飛び越えた作風が魅力の両者の持ち味が遺憾なく発揮された良曲になっている。
エレキ・ギターの伴奏(これはNAKAJINのものだろうか?)と、Tabloの囁くようなラップで幕を開けるこの曲は、FUKASEの歌、Tabloのラップ、再び FUKASEの歌、Mithra Jinのラップ、 再び FUKASEの歌という風に、両者がマイクを繋ぐという滑らかな構成の作品。Mithra のパートでは、途中でメロディを歌ったり、Tabloが合いの手を挟んだりするなど、切ない雰囲気を醸し出しながら、随所に遊び心を盛り込んでいる。また、英語詞の曲自体は何曲かリリースしているものの、Tablo以外のメンバーにとって、母国語ではない英語を使って、自分達の世界観を綴った歌詞(ただし、これは日本語曲のオンエアが難しい韓国と、韓国語のポップスをオン・エアすることに抵抗のある日本の音楽事情も影響している)も見逃せない。
また、本作のバックトラックでは、両者の尖った作風を土台にしつつも、双方の個性がきちんと一つの演奏に落とし込まれている。ロックとクラブ音楽を融合する技術には定評のあるSEKAI NO OWARIと、ロックやフォーク・ソングですらヒップホップの一部にしてしまうEpik Highの個性があわさったこの曲では、Epik Highらしい、サンプリングを用いたビートと、ヒップホップのリズムをフォーク・ソングのアレンジに溶け込ませるSEKAI NO OWARIの演奏いう、両者の作品でも、他のミュージシャンの作品でもあまり見ない手法を披露している。
今回の曲は、両者が得意とするバラードをベースにしているが、SEKAI NO OWARIの作品には珍しいヒップホップのリズムを用い、Epik Highの作品では異色の本格的なヴォーカルとの共演という新しいスタイルに取り組むなど、両者の単独名義の作品とは一線を画している。また、今回の作品は「ロック・バンドとヒップホップ・グループのコラボレーション」という、多くのミュージシャンが取り組んできたものだが、両者の持つ、繊細な感性と尖ったセンスのおかげで、他の作品とは一味違う、独創的な作品に仕上がっている。
ヒップホップとロック、異なる音楽ジャンルを土台にしているものの、鋭い眼差しと豊かな感受性で色々な音楽を取り込んできた両者の魅力が4分間に凝縮された珠玉の1曲。Linkin Parkとコラボレーションも話題になったJay-Zや、新作を出す度に、Snoop DoggやMos Defといったヒップホップ・アクトとのコラボレーションしてきたGorillazなど、アメリカやヨーロッパでは盛んな「ロックとヒップホップの融合」に新しい視点から切り込んだ、面白い作品だ。
Producer
Epik High, End Of The World, Rock Mafia
Track List
1. Sleeping Beauty
2000年代中頃(現在の編成になったのは2008年)に幼馴染の4人によって結成。詞、メロディ、演奏、ヴィジュアルなど、自分達の音楽に関するあらゆる要素を用いて独特の世界を表現するスタイルで、海外にも多くのファンがいる、日本を代表する人気ロック・バンド、SEKAI NO OWARI。
以前から、ラジオ番組やSNSで親交があることを示唆していた両者が、2018年6月末に突如発表したのがこの曲だ。
SEKAI NO OWARIの”眠り姫”(英題は”Sleeping Beauty”)とは同名異曲であるこの作品。制作には双方のメンバーに加え、Mariah CareyやZeddなど、Eminemなどの楽曲に携わってきたアメリカのプロデューサー、Rock Mafiaが参加。ジャンルの枠を飛び越えた作風が魅力の両者の持ち味が遺憾なく発揮された良曲になっている。
エレキ・ギターの伴奏(これはNAKAJINのものだろうか?)と、Tabloの囁くようなラップで幕を開けるこの曲は、FUKASEの歌、Tabloのラップ、再び FUKASEの歌、Mithra Jinのラップ、 再び FUKASEの歌という風に、両者がマイクを繋ぐという滑らかな構成の作品。Mithra のパートでは、途中でメロディを歌ったり、Tabloが合いの手を挟んだりするなど、切ない雰囲気を醸し出しながら、随所に遊び心を盛り込んでいる。また、英語詞の曲自体は何曲かリリースしているものの、Tablo以外のメンバーにとって、母国語ではない英語を使って、自分達の世界観を綴った歌詞(ただし、これは日本語曲のオンエアが難しい韓国と、韓国語のポップスをオン・エアすることに抵抗のある日本の音楽事情も影響している)も見逃せない。
また、本作のバックトラックでは、両者の尖った作風を土台にしつつも、双方の個性がきちんと一つの演奏に落とし込まれている。ロックとクラブ音楽を融合する技術には定評のあるSEKAI NO OWARIと、ロックやフォーク・ソングですらヒップホップの一部にしてしまうEpik Highの個性があわさったこの曲では、Epik Highらしい、サンプリングを用いたビートと、ヒップホップのリズムをフォーク・ソングのアレンジに溶け込ませるSEKAI NO OWARIの演奏いう、両者の作品でも、他のミュージシャンの作品でもあまり見ない手法を披露している。
今回の曲は、両者が得意とするバラードをベースにしているが、SEKAI NO OWARIの作品には珍しいヒップホップのリズムを用い、Epik Highの作品では異色の本格的なヴォーカルとの共演という新しいスタイルに取り組むなど、両者の単独名義の作品とは一線を画している。また、今回の作品は「ロック・バンドとヒップホップ・グループのコラボレーション」という、多くのミュージシャンが取り組んできたものだが、両者の持つ、繊細な感性と尖ったセンスのおかげで、他の作品とは一味違う、独創的な作品に仕上がっている。
ヒップホップとロック、異なる音楽ジャンルを土台にしているものの、鋭い眼差しと豊かな感受性で色々な音楽を取り込んできた両者の魅力が4分間に凝縮された珠玉の1曲。Linkin Parkとコラボレーションも話題になったJay-Zや、新作を出す度に、Snoop DoggやMos Defといったヒップホップ・アクトとのコラボレーションしてきたGorillazなど、アメリカやヨーロッパでは盛んな「ロックとヒップホップの融合」に新しい視点から切り込んだ、面白い作品だ。
Producer
Epik High, End Of The World, Rock Mafia
Track List
1. Sleeping Beauty