79年の『Let’s Talk It Over』でソウル・ファンの注目を集めたあと、長い苦労の時代を経て、2002年の『Problems』で再ブレイクを果たしたノース・カロライナ出身のシンガー、リー・フィールズ。彼にとって2014年の『Emma Jean』以来、2年ぶりとなるオリジナル・アルバム。
御年65歳ながら、ジェイムズ・ブラウンを彷彿させるヴォーカルは衰え知らず。豊かな声を棍棒のように振り回し、喜怒哀楽を全身で表現する姿は70年代から全く変わっていない。しかし、今回のアルバムは、彼を支えるバンド・メンバーの成長によって、これまでとは一味違う作品になっている。
彼の音楽を演奏で支えてきたザ・エクスプレッションズは、今までもシャロン・ジョーンズやエイミー・ワインハウスのアルバムで、絶妙なグルーヴと豊かな表現力を発揮してきたメンバーを擁する実力派バンド。そんな彼らは、近年、レディ・ガガやノラ・ジョーンズといった、様々なジャンルのトップ・アーティストの作品に携わり、ディズニー映画『ジャングル・ブック』の音楽を手掛けるなど、活躍の舞台をさらに広げている。本作では、そんな彼らの経験を反映した、幅広い音楽性と各人の際立った個人技が、主役の歌の魅力をこれまで以上に引き出している。
リー・フィールズのパンチが効いた歌声が光るミディアム・バラード”Precious Love”では、気怠い雰囲気のホーン・セクションで、ロマンティックなムードを出しつつ、一音一音の粒が立ったキーボードで、楽曲にメリハリを効かせてくれる。また、オープニングを飾る”Special Night”では、ジミー・スミスばりに荒々しい演奏を聴かせるオルガンが、泣き崩れるようなヴォーカルと絡み合い、まるでデュエットのようにお互いを引き立てている。それ以外にも、他のメンバーは、楽器の音色で自分の個性をアピールしつつ、バンドとして一つの楽曲を下支えしており、バンド全体では、これまで以上に大胆な表現を披露している。
70年代から活躍するベテラン・シンガーと、10年代に入ってますます目覚ましい活躍を見せる中堅バンド。親子ほどの年齢差がある両者は、お互いに刺戟し合い、前作以上に豊かな表現を見せてくれた。年を重ねて円熟味を増したシンガーと、幅広い音楽を飲み込んだバンドの競演は、ソウルもロックもブルースも取り込んでいた、往年のソウル・ミュージシャンに通じるものがある。
Track List
1. Special Night
2. I’m Coming Home
3. Work To Do
4. Never Be Another You
5. Lover Man
6. Make The World
7. Let Him In
8. How I Like It
9. Where Is The Love
10. Precious Love
Producer
Thomas Brenneck
御年65歳ながら、ジェイムズ・ブラウンを彷彿させるヴォーカルは衰え知らず。豊かな声を棍棒のように振り回し、喜怒哀楽を全身で表現する姿は70年代から全く変わっていない。しかし、今回のアルバムは、彼を支えるバンド・メンバーの成長によって、これまでとは一味違う作品になっている。
彼の音楽を演奏で支えてきたザ・エクスプレッションズは、今までもシャロン・ジョーンズやエイミー・ワインハウスのアルバムで、絶妙なグルーヴと豊かな表現力を発揮してきたメンバーを擁する実力派バンド。そんな彼らは、近年、レディ・ガガやノラ・ジョーンズといった、様々なジャンルのトップ・アーティストの作品に携わり、ディズニー映画『ジャングル・ブック』の音楽を手掛けるなど、活躍の舞台をさらに広げている。本作では、そんな彼らの経験を反映した、幅広い音楽性と各人の際立った個人技が、主役の歌の魅力をこれまで以上に引き出している。
リー・フィールズのパンチが効いた歌声が光るミディアム・バラード”Precious Love”では、気怠い雰囲気のホーン・セクションで、ロマンティックなムードを出しつつ、一音一音の粒が立ったキーボードで、楽曲にメリハリを効かせてくれる。また、オープニングを飾る”Special Night”では、ジミー・スミスばりに荒々しい演奏を聴かせるオルガンが、泣き崩れるようなヴォーカルと絡み合い、まるでデュエットのようにお互いを引き立てている。それ以外にも、他のメンバーは、楽器の音色で自分の個性をアピールしつつ、バンドとして一つの楽曲を下支えしており、バンド全体では、これまで以上に大胆な表現を披露している。
70年代から活躍するベテラン・シンガーと、10年代に入ってますます目覚ましい活躍を見せる中堅バンド。親子ほどの年齢差がある両者は、お互いに刺戟し合い、前作以上に豊かな表現を見せてくれた。年を重ねて円熟味を増したシンガーと、幅広い音楽を飲み込んだバンドの競演は、ソウルもロックもブルースも取り込んでいた、往年のソウル・ミュージシャンに通じるものがある。
Track List
1. Special Night
2. I’m Coming Home
3. Work To Do
4. Never Be Another You
5. Lover Man
6. Make The World
7. Let Him In
8. How I Like It
9. Where Is The Love
10. Precious Love
Producer
Thomas Brenneck